●ボクサー
古い話しだが、私が受験生の時、予備校の恩師から塑造制作でのアドバイスを受けた。それは「彫刻家にとってフットワークがとても大事だから足周りを片付けなさい。」いうことだった。3次元を扱う彫刻は360°の世界であり、かといって目前のモチーフや自作を空中に浮かんで確認することはできないが、上下左右からの確認や観察、そして客観的比較の為に常にモチーフや自作から距離を置いてみることが重要となる。それはまるでボクサーのようなフットワークにも似てアクティブだ。常に集中し、動き、観察し、ジャブを繰り出し気力と体力をもって立ち向かう。ボクサーの栄光は相手を倒すことだが、彫刻家の栄光は?
繰り出したジャブとストレートは徐々に明快な形を伴って光輝き出す。
ボクシング経験の私であるが、実は公式試合3戦3敗・・。そして現在、我彫刻世界の全敗を歩み続けているようにも感じる。まだまだフットワークが本気で足りないようである。
少しスパーリングで鍛えるか?!