●軽やかに舞う
センター試験も終わり、皆、一山超えたような顔。うまくなんとか乗り切れた様子である。
すかさず「コンクール」で、なんとも休む間も無い。ここが踏ん張り所なのだし、この日の為に準備して来たのだから、もう迷わずに突き進むだけ。一方で、我々指導陣にとっては逆に静かな時間となる。念力やテレパシーで応援はできてもあとは学生まかせなのだから、こちらもこれから一緒に闘う為の養分注入期間となる。
というわけで、私も注入すべく、東京都現代美術館の「レベッカ・ホルン展ー静かな叛乱 鴉と鯨の対話」、そして鎌倉にある神奈川県立近代美術館「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」へ行って来た。年代的には差があるが、ドイツ、日本を代表するどちらも女性作家である。
ご承知のように、近年の彫刻を目指す女性の増加は驚くばかり。昨年度の芸大合格者の半数は女性だったし、広島に至っては昨年度の入学者は全員女性だとも聞いている。
男性の中性化は別としても、彫刻という領域での女性作家の活躍は、多くの視点や可能性へと開かれる光に満ちている。
いざ、これから始まる受験という闘いも、毎年のことながら一歩も二歩も女性リードといった感がある。大きく空を抱えながら、軽やかにそれぞれの春に向けて走り出してほしい。
内藤礼の風で空に舞うリボンによる作品。タイトル「精霊」(見えるかな・・・)