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2009年12月30日

●365/365

講習会最後、そして今年最後の授業が終わった。
最後の課題は総勢76名による力試しのコンクール。
泣き笑いもあるが、それぞれの結果にそれぞれの一年を思い起こしたのかもしれない。
様々な場所から集った、キャリアも違う学生の交流の日々も、取りあえずしばしの休みとなる。
良い緊張感を持続しながらまた新年に会いましょう。

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当校、彫刻科の最高齢は70歳を超えた女性。この一年をデッサン、塑造へと弛まずチャレンジしてきた。
これが今年最後のデッサン。
このバランス、この微妙なハーフトーンによる表現力。
外界の光の中で負けることなく、しっかりと存在感を発揮していました。
合わせて、本当にお疲れさまでした。
こうありたい、と思える、その熱意に感謝です。

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2009年12月04日

●東北の人

「松岡圭介 -蠢くひとがた-展」へ行きました。
 初日のオープニングへ出かけ、久しぶりの再会。彼は東北芸術工科大学で彫刻を学び、上京し当校彫刻の教務として3年間働きながら作家活動をし、その間多くの賞にも輝きました。そして昨年帰郷し、地元ホテルで働きながらの制作活動を継続しているとのこと。作品制作の為には労を惜しまない、そんな人だけが彫刻家として残っていく、そんな世界でもあることが彼の態度からも伝わってきます。
 多くはありませんが、すいどーばたからも地方の大学へと進学していきます。自ずと発表をしなければこの世界では消えて行くことになるのですが、それでも様々な素材に接し、立体の感覚を研ぎすました訓練で得たものは何かに役立っていくのでしょう。
 作品制作のイメージの根幹が、体験した多くの経験から来ることを考えると、東京以上に特化した文化や自然を持つこうした場での体験は、きっと人生に大きな影響をもたらすことになるのだと思う。
松岡君の作品のとてつもない存在が、まるで東北の森の深さまで伝えてるようで、頼もしく、そしてさらに驚きでもありました。

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2009年12月02日

●地平線

都市を歩いていて空を仰ぎ見ることは少ない。ましてや地平線など意識的に感じない限りその存在さえ忘れてしまう。こんな時はやはり旅へでも思うのは私だけだろうか。一本の地平線を見ることは水平線を見ること以上に稀である。いつだっか夜の都庁の展望台から360°の都内を一望したことがある。累々と続く灯りとその建造物に圧倒され、文明というよりも信じがたい程の人間のエネルギーを感じて、単純に「はぁ〜・・!」とため息が出たことを思い出す。ひとつの地平線に交わるように1本立つ。そんな光景を思い、私ならどんなものを立たせるのかと想像し。圧倒される程に林立するビルの間から地平を想像してみる。

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