« 2009年08月 | メイン | 2009年10月 »

2009年09月04日

●夏は江之島?!

静岡県立浜松江之島高校へ行ってきました。毎年恒例ともなっているこの実技講習会の特徴は「う〜暑い・・!」でしたが、なんと!今年は爽やかな海風と穏やかな風景とで、なんとも極楽な講習となりました。この学校の特徴もやはり類い漏れず女子が9割以上という女子校化。それと、「廊下もアトリエ」状態という「臨場感!?」。こちらは先生と生徒の熱気が伝わってきます。特に彫刻コースは、作品制作のためには野も無く山も無く境界も無く、学内のいたるところにスコッター (不法定住者) の如く場を確保して制作しているとのこと。こうした何か異邦人的なパワーが指導の先生からも伝わってきてとても気持ちいい。
 ただ、進路は漫画、舞台美術、歯科技工士、就職と、「お〜いぃ!い、いったい、ち、ちょうこくはどこにいったんだい〜!」と泣くに泣けぬ百貨店状態。彫刻とはなんと汎用性のある優秀なメディアなんでしょうね。きっと彫刻の可能性と面白さはこんなところにもあるんですよね(泣)。
1日半の滞在でしたが、超美味しいうなぎ、夜は勝手徘徊でこれまた美味しいお酒と魚介。そしてさすがサッカー王国、川にどんぶらこのサッカーボールまでも発見し拾得、こちらも全て網羅されたなんとも珠玉の時間となりました。
同行講師のみなさん、お疲れさまでした。またいろいろとご配慮いただきました先生方、ありがとうございました。そして夏は遊びたかった生徒の皆さん、自分の夢に向かって突き進んで下さいね。
hamamatu.jpg
「江ノ島」の名のとおり、まわりは川に囲まれすぐに海。壮大な風景が広がります。
hamamatu2.jpg
展覧会出品の為の自由制作中、大型作品がずらり!
hamamatu3.psd
enosima.psd

個人情報流出を恐れる?極度の写真ぎらいの皆さんでした。う〜ん、なんとミステアリスな・・。

2009年09月02日

●アートな旅

2学期もいよいよ始まり。講師にとっても学生にとっても束の間の休息を終えて、いざ!後半戦へと突入となります。今年の夏を振り返れば、洪水による災害、猛威のインフルエンザなどの自然がからむ現象、一方で民主党圧勝の衆議院選挙(浪人生の半数は選挙権ありの学生も)、芸能人の麻薬事件などの社会的事件、どちらにしてもそれほど明るい話題は見つかりませんが、やはり自然も社会もなんだか荒れてる、そんな気がしますね。
 さて、こんな夏を最後に半日を費やしいくつかの展覧会へ行ってきました。
その中で東京オペラシティーでの鴻池朋子展「インタートラベラー/神話と遊ぶ人」と埼玉近代美術館での長澤英俊展「オーロラの向かう所」の展覧会は対照的ながらも共通項があり興味深いものでした。
キーポイントは「旅」。鴻池朋子は「想像力という人間の根源的な力で地球の中心まで旅をする」という神話を創り上げる。一方の御歳68才の長澤英俊氏はイタリア在住の国際的彫刻家ですが、こちらは大学を卒業し自転車一台でアジアからイタリアへの旅という壮絶な体験の果てに行き着いた地から始まる物語。
 鴻池の作品で彼女「企画」の循環するツアーの旅に参加し子供のように無邪気に遊び、長澤氏の作品では作家の旅が産み出した記憶をひも解きながら、見えないけれどそこに確かにある存在へと自らが旅を試みる。エンターテイメント性とドキュメント性。人間、どちらも必要な要素ですが、心地良く人が漕ぐ舟に乗っているとだんだん自分で荒海に漕ぎ出したくなっちゃいますね。
nagasawa-top.jpg
exh.jpg