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2009年06月24日

●それぞれの道

予備校で彫刻を学び、大学も彫刻科に籍を置きながらも皆が皆そのまま彫刻の道を歩む訳ではない。やりたい事も見つからずに4年間を過ごす総合大学の学生が多数である現実を考えれば、美大での方向転換はその意味でも珍しいことではない。
そんな訳で仕事がら卒業生と出会う事が多々あるのだが、「元気〜!!今なにしてるの?」の問いに、彫刻とは縁のない就職先を告げられてびっくりすることがある。「道」の可能性は将に限りないのだ。
 すいどーばたから多摩美の彫刻、そして大学院は絵画学科へと進み作家活動をしている若きアーティスト、戸谷森 「it's like this, it's like that」の個展に行った。「藪に棚」「藪に入る」などのタイトルの作品数点でのシンプルな構成だ。空間の奥行き、そしてこの重量感、記憶を探り出すような印象はやはり彫刻的ではあると一人合点。友人である同級の彫刻家二人と共同アトリエだという。血筋も環境も彫刻の彼の展開を見守りたい。
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