●獅子奮迅
先だって合同公開コンクールが行われた。湘南美術学院との合同コンクールも今年で早いもので5回目を迎える。およそ予備校が手を組んで行うというのも有り得ないのだが、事は真剣である。少子化に伴う学生数、受験者数の激減。それは裏を返せば美術人口の減少であり、競争意識を欠いたレベルの低下へも繋がる。とは言っても「競争」そのものが重要なのではなく、こうしたボーダーレスの時代だからこそ、予備校と言えども多くの交流の場への貢献が必要なのである。逆に言えば、受験や美術教育そのものを再考するチャンスなのだ。
「個」による美術も多様性の中からその「個」を確立していくのだし、開放された場こそ社会へと繋がる。空気は澱むより通った方がいい。質は接触し熱を帯び、さらなるエネルギーになればいい。ここにいる若き学生が確かに日本の未来を創り出すのだから。