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2008年10月15日

●ブラジル

「ジャパンブラジルクリエイティブアートセッション2008」という展覧会が行われた。
今年は1908年にブラジルへ向けた第1回日本人集団移住者を乗せた移民船「笠戸丸」が、2ヶ月におよぶ航海を経て、ブラジルのサントス港に入港してから今年で100年目にあたるという。この節目を祝おうと、今年はさまざまな行事や関連イベントが計画された。その中でこの展覧会は将に交流という意味で突出したものだった。主催者は両国のアーティスト。10年以上の長期に渡りアーティスト同士が深く交流し、そうした中から自らの視点で今のブラジルアートを紹介する、手作りの展覧会だ。規模、内容から言ってもよくここまでできたものだと感心する。通常の交流展と言われる展覧会の多くが、突発的で間接的情報で人選等が行われる事を考えれば、これは理想的な方法と言えるだろう。また昨今の若い美術家達が人が仕立てた俎上でのみで蠢くのとは対照的に、彼等は自分の足元を自ら作り上げる、そんな気概に満ちている。お互いが検証し合い、甘える事無く、価値観の相違を超えて成立させていくそのプロセスそのものが、作家にはひどく重要なものなのだと、ささやかながら彼らの人間味を帯びた雄叫び聞こえるようである。

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