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2008年08月19日

●動き出す

[引込線」という展覧会が所沢にある西武鉄道の旧車両工場にて始まる。「所沢ビエンナーレ・プレ展」と位置づけられたこのプロジェクトは,戸谷成雄、遠藤利克、山本糾等70年代後半から日本の美術を牽引してきた作家達と若手のアーティスト、そして批評家、学者、思想家、美術教師、美術館員といった美術を構成する全ての人に参加してもらうというものである。コンセプチュアルアート、インスタレーション、ミニマルアート、モノ派といった言わば静謐な思考と精神を伴った表現時代を経て来たアーティストの現状アートへの挑戦の様相でもある。「オヤジだってもう黙っちゃいられねぇ!」という雄叫びとパワーが感じられて同世代としては心地良い。
当面、所沢在住作家を中心にとその結束の固さは感じるが、酒を飲み過ぎての強烈な酩酊論議をもまた想像してしまうのも同時代を生きて来た者のこれも過ぎたるイメージか。ともあれ「美術思想とは表面から闇に向かって垂直におりて行くパースペクティヴを獲得する『知』であり、取り戻すべきは闇を含めた存在の全体性の回復である」のメセージに託された活動の行方に注目である。www.tokorozawa-biennial.com

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