●庭園美術館と舟越桂
東京都庭園美術館で開催されている「舟越桂 夏の邸宅」の内覧会なるものに行った。庭園美術館というアール・デコの装飾に彩られた空間と舟越氏の作品との静かな関係が穏やかに深く美しい。こうしたパーティー形式のものへの参加はひどく苦手で腰が引けるのだが、なかなか有意義だったし興味深かった。ひとつには久しく会わなかった多くの知り合い、友人達と再会できた。作家の舟越氏のスピーチにも感心する。気取りも無く常に自然体で他者に対する敬意が感じられるのが心地良い。舟越氏の作品は今まで全て発表毎に見てきたものであったが、矢張り空間との対話が感じられ、初めて入った美術館への関心もあって新鮮であった。
当の舟越氏は順番を待つ客人に疲れを知らぬかのように笑顔で対応して、私など入り込む隙間も無い。失礼とは思ったが強引に分け入り退席の挨拶を交わし失礼した。
帰りしな庭園を覗いて見る。木々に囲まれた緑の芝生に真っ白な大理石の抽象彫刻がまばゆく輝いていた。「やはり彫刻はいい・・・」と豊かな気持ちになる。
10月、舟越氏が我が学生の為に来てくれることが決まった。恐縮である。
彫刻へのまなざしが洗われることを期待して。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/funakosi/index.html