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2008年07月04日

●私の顔

「自刻像」は絵画では自画像にあたるもの。彫刻はもちろん立体で三次元の為自分の頭部を横、背後、上からと自分では見る事のできない箇所までもイメージしながらの制作となる。そしてその観察の為にいくつかの鏡を駆使しながら、いわばナルシスト的に自己に迫り行く。
 彫刻の基礎勉強はその表情より骨格や各部のバランスが優先される。表情は幾千の感情で変化するが、それらは根幹の存在として礎を成しているから、というのがひとつの理由である。しかしそうしたものは現実的に決して見えるものではなく、あくまでも認識し感じるもの。そうこうしているうちに彫刻家は内部に潜むものが見えるようになってくる。想像力とはそのようなものである。つまり見えてくるのである。逆に今まで見ていたものはなんだったのだろうと。逆説的ではあるが真実とはなかなか表面に浮かび上がってこないのである。
私の顔。さてさてあなたはいったい自分の顔にどんな真実を見つけるのでしょうか?

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