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2008年05月10日

●春は山梨、勝沼で

春の花の咲き乱れる時期も落ちついた連休前、友人に誘われ勝沼の桃園農家へ「お手伝い」へ行って来た。以前から是非にと思いながらやっと願いが叶い嬉々として出かけた。脱サラ、且つ美大出で都会的ダンディズムの漂う農園主のご主人と朗らかな奥さん。そのお二人の人間性に引き込まれながらの「優雅」な「お手伝い」であった。
 近隣では稀の無農薬、自然農法ということもあって、ここまでかなりのご苦労はあったようではあるが、今はその農法と極上の味で有名ブランドとなっているのもうなずけた。

 さてさて、仕事は水路に滔々と雪解け水の流れる広々とした農園の中で、幸せ気分で陽光を浴びながら花芽を摘む作業。大きくなるであろう桃の姿を想像しながら余分な花芽を摘んでいくのであるが、およそ何千ともあるであろう花芽を間引いて、一つの木に最終的には200個程度の桃を成らすのだという。膨大な数から残される花芽から育つ大粒の桃を想像しながら、選ばれしものの奇跡や受粉に飛び交う蜂の姿、そして煌めく風の優しさに思いをめぐらした。そして4,000坪の中に広がる膨大な数の桃の木々に毎日付き合いながら生きる人の四季を思った。
 一本の桃の木に友人と二人で脚立を上がり下りしながら作業を進める。直に無言になって手先の花芽に集中していく。落ちる花芽、残る花芽。気がつくと眼下は花びらを残した蕾の絨毯である。空に実る命。大地に同化する命。どちらも生きていくのだと思った。
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