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2008年02月09日

●工作人間

彫刻科の教官室は基本的に自由に出入りすることができる。ここには沢山の美術本は勿論の事、悩める学生を覚醒?させてくれるすいどーばた何十年の歴代優秀デッサン資料があり、時間を問わず見ることができる。その為か時には学生達の優雅な休憩室となっていることさえある。
 となると、「鬼のいぬ間」とばかりに教師や教務の留守を突いてなにやらしでかす輩達が出現する。とは言ってもかわいいユーモアやウイットに満ちた、あるいは無邪気で何気ない自己アピールにも似たものなのだが。例えば教師の似顔絵、中身の抜かれ再梱包された疑似チョコレート、文字入りメッセージ、イラスト等々といろいろである。別の見方をすればここは物作りの好きな工作人間達の集まりである。「基本を身につける」とばかりに、厳しい訓練にも似た受験勉強の中で、ある意味鬱屈された気持ちがささやかに発散された素直な姿とすれば、それはそれでうれしいし、何だかこうした学生の勝手な置き土産は実は密やかな楽しみである。

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