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2007年06月29日

●自由?制作

前期カリキュラムのクライマックス?「自由制作」も、何とか展示まで漕ぎ着けた。
 今年はそこそこにバリエーションも多いような気がする。学生のタイプもコンスタントに自己研鑽に取り組む、いわば生真面目な学生が大半を占め、その意味では全体的な手応えはある。
まぁ、この「自由」というのがくせ者なのだが、意外と「自由に作りなさい」と言われると戸惑ってしまう学生もいる。与えられた課題のみに反応することの危うさをこうした経験で自覚する学生も中にはいる。また、普段の石膏デッサンや塑造学習では知ることのできない学生の全く別の側面や感性、性格、才能が浮かび上がるのもこの自由制作課題の面白さである。時代を反映してか、矢張りフィギュアー系からアニメか風まで、昨今注目される「サブカルチャー」の影響もこうした場面で顕著に現れる。何やら妙に自分の庭も目に見えないウイルスに冒されたような気分にもなるのだが、実を見ればそうした学生の作品はかなり徹底して「小細工のウルトラC(笑)」程のこだわりと他者を寄せ付けない自己宙の表現への欲望は、ある意味こちらをうならせる。
 人の突進をさりげなく避ける力の抜けた作品、素材にこだわる者、ミニマルに言葉を削ぎ落とした作品、女性らしい想いを素直に表現した作品等々、若干の技術的なアドバイス以外はしないこうした課題は、学生達にとっても自分の部屋に案内するようなそんな別の意味での多くの精神的交流ができたのだろうと想像する。 やはり彫刻は楽しい!! 皆さん、ご苦労様でした!!
はやく大学入ろうね!もっともっと自由な世界が待ってますよ〜!!

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2007年06月12日

●生き生きと

彫刻科コースには昼間部と夜間部があります。昼間部は浪人生、夜間部は高校生を中心に社会人の方も一緒に学習にはげんでいます。
 以前は東京芸大を目指す多浪人生や学費の問題で夜間部へ通う学生など、その幅も広く、世代間を超えた学習環境はいわば夜間部の特徴とでも言えるものでした。
 近頃の特徴はやはり女子学生を中心にした花園と化した感があります。彫刻の世界もやはり女性のパワーに溢れているんですね。
 そんな中で定年退職されてから彫刻を学びたい、という方もいらっしゃいます。そうした人たちの、大学受験とは別の意味での真摯な学習意欲には感心させられます。
 こうした方の作品は時に非常にストレートです。溢れんばかりのあの存在感。目の前にある事実を超えて何かドキッとする程の造形が登場してきます。
 いわゆる「基礎」を指導するべき立場にありながら、思わず「いいじゃないですか!」とうなずいてしまうことが多々あります。
「基礎」を学ぶ。つまりはこうした存在感を伝える手法としての基礎。それならば、様々な人生経験、体験がいわゆる彫刻の基礎というものを凌駕しているのかもしれませんね。
 拍手喝采!

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