2015年度より新たなすいどーばた彫刻科講師として加わった荒木秀造先生にインタビュー。
現在東京藝術大学彫刻科に在籍中の荒木先生。浪人時代の話から試験の話まで、いろいろとお伺いしてみました。
インタビュアー 冨田佳菜子
冨田(以下:冨)わたくし冨田と共に浪人し、現在は東京藝術大学彫刻科4年に在学中の荒木先生です。それではいきなり質問ですが、荒木先生はなぜ彫刻という道を選んだのですか?
荒木(以下:荒)もともと油絵を高校の時専攻してました。三年の春に東京に出て、某予備校の春期講習に通い、「なんか魅力ないね。。」と先生に言われ、半泣きで兵庫県に舞い戻りました。
東京コワイ...油絵コワイ...絵、描きたくない...
ん?
でも立体なら見たものをそのまんま形にすればいいぞ。360度ちゃっかり作ればいいんだ。
よし!彫刻をしよう!
という流れで彫刻を選びました。
冨:そういえば現役生のころ、溶けた食パンのようなものが描いてある油絵を見せてもらった記憶があります、、。とはいえ無事に彫刻科で芸大に合格した荒木先生、大学生活はどのような感じなんですか?
荒:楽しいですね〜
冨:おお、充実しているようですね。ではどんな制作を普段しているんですか?
荒:学校では木彫をしてます。木は温かみがあって、好きです。
学校以外では、最近フィギュアの勉強をしています、家で。
冨:なるほど、今後もフィギュアの仕事をやっていくつもりですか?
荒:そうですね。今年の夏にはワンフェスにも出展する予定なので、是非来てください。
ちなみにワンフェスとは、ワンダーフェスティバルといって、素人の人からプロの原型師まで経験を問わず参加する事のできるフィギュアの祭典で、企業ブースではまだ発売されてない商品なども展示さてれいたりするので、興味ある人は是非、札束を持ってきて下さい(笑)
冨:札束ですか!
荒:入場料で二千円飛びます(笑)
冨:なかなか高いですね。。。価格帯ってどのくらいなんですか?
荒:小さいものだと1,000円台〜買えます。が、六分の一くらいの人体サイズであれば一万円は軽く越えます!
日にちは7月26日。
冨:話が大幅にそれてしまいましたが、さて、いよいよ浪人時代についてお聞きしていきたいと思います!
荒木先生は、どばたで何年間勉強したのですか?
荒:2浪しました。詰まる所、二回落とされた、ということですね。(笑)
冨:2年間を振り返ってどうでしたか。
荒:実技に対するストレスだったり、不安感だったりはあんまり感じることは無かったです。ただ、家にネズミがわいた事が大きなストレス兼寝不足に繋がっていました。実技に関しては、毎日買い上げ作品を出すつもりで、昼飯を食わずにぶっ通しで制作をすることもよくありました。実技がダメな日は、そんな日もあるさ!と友達と遊び、実技がいい日は、俺天才!と自らを褒め讃え、心がぶれないように、実技を毎日楽しめるように、心掛けて日々過ごしていました。
冨:いいですね〜。では、最後の受験はどのような心持ちで迎えたのですか。
荒:いつも通りであることが、一番大事なのではないかなと思っていました。決して神に祈らぬと心に誓い、いつも通りの実技をして帰ってこれば、必ず受かっていると、そういう心持ちで受けてきました。
やたら多いやん?試験前に限って、神社行ったり、ジンクスに頼ったり、、、そういうのって、自分のこれまでの一年間を否定してしまっているように僕は思うので、自分の足で通って自分の目でみて自分の手で表現してきたわけだから、それ以上に信じられるのは何も無いと。
だから、神に祈るなと。僕は言いたい。
冨:私も、そんな感じでした。とにかく自分を信じて、受かる自分を想像して、毎日過ごしていましたね。
荒:冨田先生は、すごくストイックで完璧さを追求してたイメージがあったんですけど、その精神面と体力面で、モチベージョンを維持する為に、どういうことを意識してたんですか?
冨:うーん。私は完全に精神論でしたね。風邪はひかないと思えばひかないし、自分が描けると思えば、描ける。それと、恐がりだったので、落ちるのが怖くて、手が止められないというのもありました。
荒:すごく納得です。
冨:なので、浪人するということは辛いこともあったり、自分の立場を受け入れたくないと思うこともいっぱいありました。でも、今思うと浪人して良かったなと思います。
荒:浪人して良かったというのは僕も同感です。もちろん現役で受かりたいと思っていましたが、運がいい事にサポートしてくれる両親と良い仲間に恵まれたことで、充実した時間を過ごせたと思います。この時間は、もう一生味わう事が出来ないだろうと思います。まぁでも現役で受かる事にこしたことはないと思いますけど。(笑)
冨:そうですね。というわけで、すいどーばたで様々なことを学んできた荒木先生、これからの講師としての意気込みを!よろしくお願いします!
荒:みんなが前向きに実技に専念できるようにサポートしていきたいと思いますので、何か悩みがあったりしんどい時は気軽に相談してください。
一緒に頑張りましょう!
冨:荒木先生、ありがとうございました!