女性首像と組デッサン

こちらのクラスは女性首像です。
自刻像や友人像と違い、先入観がない分モデルさんの佇まいや骨格、左右の癖などから特徴を拾い出し形態の面白さを観察して再構成できると、良い作品になってきます。
今日はそういった観点で、モデルさんの特徴を拾い出した作品が数点出ましたのでご紹介します。

H.Gさんの首像
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首像制作になるといつもクオリティーが上がるH.Gさん。今回も柔らかいタッチでモデルさんらしさをつかんできました。力みのない表現で好感が持てます。

K.Nさんの首像
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こちらもモデルさんの特徴をうまく生かした塑造ですね。骨格をしっかり押さえつつ表情の柔らかさを乗せられているので全体のしなやかさに繋がっています。目の表現も強く入れつつ嫌みにならないように収めていますね。

A.Nさん(現役生)の首像
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現役生もグイグイ来ましたね。ベースもしっかりしていて安定感があります。切り口と髪の毛の表現に工夫が欲しいところですが、自然な佇まいや存在感は説明が出来ない臨場感があります。

本日こちらのクラスは組モチーフでした。全体的には終了間際まで、手に汗握る追い込みが繰り広げられていました。講評時にはエネルギッシュな実技が何枚も見られ迫力を感じました。これは大量にあずかりが出るのか?と思いましたが、よくよく見ていくと個々にまだ気を付けなくてはいけない部分が残っていたように感じました。6時間という限られた時間の中で、どうフィニッシュを向かえるか更に貪欲に求めていって下さい。

T.Bくん(現役生)のデッサン
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現役生です。背景を付けることと馬頭に焦点を当てることで他にはない空間表現と画面作りが出来ました。木炭の調子もしっとりとしていて画面の中で調子が互いに響きあっています。手前のミロのヴィーナスと奥側のフォーンがやや見えにくいのが惜しいですが、短所をリカバー出来るだけの良さがあります。

M.Yさんのデッサン
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描き出しから良いリズムで全体を捉えていけました。途中でミロのヴィーナスとフォーンがくすんでしまいましたが、そこから何とか持ち返しましたね。馬頭から作り出される木炭の調子にも幅が出てきましたが、さらにクリアなデッサンを目指して下さい。

M.Mさんのデッサン
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言い切りがいいですね。ミロのヴィーナスの側面に向かう形がもう少し欲しいですが、画面全体の完成度は高いものとなっています。手前の台座から馬頭、フォーンへの流れも綺麗に出せていますね。6時間での仕事量と考えると上出来だとおもいます。

講評後、粘りの仕事をしたK.Mさんのデッサンです。
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馬頭は当初からパチンと描けていましたが、フォーンやミロのヴィーナスが八合目といったところでした。その後、加筆すべきところをしっかり見極め、的確な仕事で仕上げられたと思います。特にフォーンは抵抗感がかなり出てきましたね。おしいところはヴィーナスの顔の印象ですが、手前の2体はかなりのレベルに達したことは言うまでもありません!!

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この記事について

このページは、彫刻科教員が2011年2月22日 17:40に書いた記事です。

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