今日こちらのクラスは昨日のクラスと入れ替えで石膏各種を描きました。昨日のクラスのコメントにもあったように彫刻科ではあまりお目見えしないマイナーモチーフですが、マイナーだからといって侮る無かれです。彫刻的な要素は普段のモチーフに比べれば低いですが、その分、バランスをしっかり捉えていくことや印象を合わせていくこと、画面の完成度がより求められたりもします。また、気を付ける要素が少ないだけに、何かきっかけを掴むにはいい課題だと思います。
M.Yさんのデッサン
このところデッサンに対するアプローチに勢いがあります。画面全体を使った臨場感・空間表現とその中で立ち現れてくる個々の形に対しての食い付きが勢いと柔らかさを持って繋がってきています。額から前頭部の明快さと奥側の胸の回り込みがもう少し欲しいところです。
T.Aくんのデッサン
前回のパジャントのデッサンから比べるとグラデーションに幅があり、かつ明快さもあります。強引な描き込みはなく、座った位置から見えてくるモチーフの全体像を大事にしながらも画面に対しての言い切りが出せています。ハーフトーンにも幅がありますね。後頭部側のヘルメットの形態感と全体に回り込みの仕事がもう一歩。
K.Mさんのデッサン
逆光の中でできる木炭の調子に柔らかさがあり、その場にあった空間が綺麗に表現されています。課題としていた描写にも硬さが無くなってきていますね。欲を言えば、ワントーン、木炭の調子に幅が出ると画面に対して迫力と広がりが更に出ると思います。
M.Mさんのデッサン
画面に冴えと迫力があり、絵が大きく見えますね。ジョセフに続き良い一枚が描けました。このところの実技には安定感と勢いを感じます。特に言うことはないのでこのままいって下さい!!
R.Mさんのデッサン
描き出しから良い捉え方をしていました。途中、仕事が顔面に集中してしまい頭部とのズレなどが見えましたが、そこから再度、全体に目を配らせることで狂いがなくなりました。まだ途中感はありますが、こちらも良い一枚ですね。
K.Oくんのデッサン
メリハリのある調子が魅力的です。逆光ならではという感じですね。表情を描き込もうとすると形を無視したところで線的に処理しがちですが、今回はそういったところもなく、調子に色味と厚みがあっていいですね。
こちらは石膏各種ではなく、奴隷です。
H.Sさんのデッサン
こちらは現役生のデッサンです。メリハリと抵抗感のあるデッサンですね。前回のジョセフのデッサンでも画面に明快さがあり全体像をカチッと捉えていましたが、今回はその精度がより高いものとなり、奴隷から生み出される質に近づけました。重心が乗る側の脇腹・腰回り・肩と額・前髪はもっと迫りたいですね。
今日の塑造は、様々なモチーフから1つ以上選択して自刻像と構成する課題でした。
自刻像とモチーフとの関係性や扱い方のバリエーションや粘土の表情の付け方に変化を求めたいところです。
S.Hくんの作品。積み重ねたレンガの上の手と自刻像の関係が見せ場になる構成です。見る位置によっては心棒が気になってしまいますが、面白い表現になったと思います。こういった課題ではどんどんチャレンジして欲しいので積極的なところを買いました。
K.Nさんの作品。布や自刻像への作り込みが偏ることなく手が入っています。布のいい切りが目を引きます。布で隠れている首へのアプローチもしっかりと!
N.Nさんの作品。空間を広く使い、動きと流れを上手く表情にからませて表現していると思います。この調子で行きましょう。
K.Tさんの作品。首の動きを強調するようにロープを使って螺旋の流れを造り、空間を創り出しています。完成度が高く時間の中でしっかりと仕事ができていますね。全体の距離感にもう少し変化が出せれば、空間に余裕ができたと思います。
R.Kくんの作品。自刻像の扱いをマスクに収め、全体の構成を優先して空間構成しました。バランスが良いですね。もう少し表情に突っ込んで言葉を発したいところです。
H.Gさんの作品。自刻像の動きとロープの動きを、上手く意味合いを持たせながら絡めてきています。目線が顔から奥のロープのへと自然と誘導され、綺麗な空間が感じられます。ロープの造り込みがもう一歩!
R.Iくん(現役生)の作品。布で、微妙に芯棒を隠しながら空間を見せれています。目線の先と布の先に何かを感じさせるションプルで意味のある構成ができました。表情にも力があります。