動物の骨を塑像するとき、模刻のようにそっくりに造る事とは違います。模刻は基本、彫刻がモチーフですので再構成されていますが、骨はされていません。人体素描や、モデル首像、自刻像と同じように再構成が必要です。種の普遍的なバランスのモト、表面をツカサどる質感まで迫る粘土の扱い具合も要求されます。少し飛躍的な話にはなりますが、模刻のそれとは違い造る側に作品に成りえるような自由度の要素を持てるのが動物の骨の塑像だと言えます。
さて今回の塑像ですが、
S.Tさんの塑造
ゾウの模刻です。粘土に厚みがあり、設置面やカタチの回り込みまで仕事が行き届いています。顎の存在感に対しての後頭部の強さがもう少し欲しいですね。
M.Mさんの塑造
素描的な観察によって形に幅が増え、質感に迫れています。骨が持つ構造的な強さまでさらに迫れると抜群に良くなりますね。
T.Aくんの塑造
牛骨の構造、バランスをしっかり捉えられています。あとは骨が持っている質感や厚みなどいろいろと探り、もっと触るように形を追って行きましょう。
M.Yさんの塑造
観察による仕事が全体に行き届いています。形を捉まえて行くようによりと取り組んでいけると良いですね。柔らかさがいいですので自信を持って行きましょう。