2009年の基礎科塑造実習が無事終了しました。熱心な取り組みで臨場感のある作品が出ましたね。全体的に首の傾きなど基礎的な部分もしっかりと見れている作品が多かったです。
ここでは総合的に見て優秀だった作品を紹介します。なおこれらの作品は後日、制作者本人のコメントを添えて、すいどーばた美術学院本館に掲示されます。皆さんおつかれさまでした。彫刻に興味持てた方は、短期間の夜間部体験なども可能ですので気軽に彫刻科教官室に遊びに来てください。
少しずつ、少しずつ時間の経過とともにジワジワと表れ出てきたカタチはとても魅力的ですね。粘土で造ったカタチは動かないのですが、時を感じそれを超える永遠性を表現する事は彫刻にとって重要なテーマのひとつだと思います。そんな事を感じさせる実直な仕事にとても好感がもてました。
目鼻、耳の位置など骨格に基づいたバランスがしっかりしているためとても安定して見えます。バランスのしっかりとした彫刻は見ていて気持ちがよいですね。余談ですが、逆に不安定なカタチで感情を揺さぶったりするのも彫刻表現ならではです。
モデルさんに似ています。表面的にカタチが似ているというよりもモデルさんのかもし出す雰囲気も含めて空気感をよく捉えています。カチっとした形態感でみせたり、このように情緒あふれる表現も彫刻の持つ多様性のひとつです。
実直に一つ一つの形と向き合い、モデルさんと比べながらすり合わせて行くことで、モデルさんの持つ表情、そして空気感も捉えている作品です。顔面に比べ頭部の仕事がやや息切れしたのが惜しまれます。
高いテンションで一気に粘土を形にしきっています。張りや形態感の強さ表情の言い切りなど、作品の力に満ちています。強さの中に自然な形のつながりが見つかるとより良かったですね。
臨場感をもった粘土付けで表情に迫っています。粘土がいろいろな言葉を発し始めています。目の左右のバランスが狂ってしまったのは残念ですが、本人の培ったデッサン力が発揮されています。
全体的なバランスや細部を立体的に捉えて表現することなど、総合的に非常に良く出来ています。あとは頭部の形態をどう捉まえるか?ですね。
モデルさんの特徴を捉え、バランスよく表現されています。目の辺りの印象などモデルさんに似てきています。若干、削る仕事が多かったので、表情が少し硬くなってしまいました。中身の形を理解していくと、きっと表情が変わってくると思います。
目の辺りの表情を集中的に作った作品ですね。その言葉の強さが際立ちます。全体を整えていくことも大事ですが、時にはこうした突っ込んだ表現をすることも大事だということを教えてくれています。
立体感覚の優れた作者ですね。一つ一つの形にしっかりと厚みを感じます。まぶたの表現などは初心者とは思えませんね。観察とやり取りの積み重ねを感じます。
実直にコツコツと積み上げられて仕事の成果が形となって現れています。今出来ることをすべて出し切った感じの臨場感を感じます。なんといってもモデルさんに似ています。
バランスの整った作品で、特に首の表現がしっかりしていた作品です。造り慣れない場合、多くは顔に仕事が集中するのですが、全体への意識の配慮ができていますね。耳周りの観察が良くなればさらにしっかりとしたものになるでしょう。
柔軟に粘土を扱い、目元の表現などは卓越したものを感じます。初めての塑造でこんなに粘土がコントロールが出来るとは、恐るべし高校1年生ですね。