今日は、ヘルメスのデッサンで秀作が描かれました。
教室の空気も引き締まり、良い状態で制作できたせいか
クラス全体の仕上がりが良かったですね。
その中から今日はこの一枚を預かりました。
粘り強い仕事で、ジワジワと顔を似せてきました。
雰囲気に流されず形をとらえ、内容がかなりしっかりしたデッサンです。
2008年11月アーカイブ
ポピュラーな石膏像の一つヘルメス Yさんのあずかりです。
余白に直したあとがあまり無いところをみると、描き出しから全体の印象がすんなりとらえられたように思われます。けっして派手ではないですが、観察の行き届いたゆっくりと見られるデッサンです。むかって右側の肩がしっかりとすればなお良いなと思います。
光が綺麗で、全体に空気が流れています。
石膏,木,鉄アングルの個々の質感が明快で
全体にわたり本人の意志が感じられるデッサンです。
細部まで、とても丁寧に仕事が出来ています。
しなやかさと強さの両方を感じるデッサンです。
奴隷の顔が見えない難しい位置でのあずかり作品です。
パースや形に対する粘り強い仕事で、とても魅力のある表現に繋がっています。
Yさんのデッサンです。倍判でフォーンを描いたので実物よりも大きく描けています。大きな形の仕事と表面を触っていく仕事が噛み合ってきましたね。大きな手の動きを覚えていって下さいね。
奴隷、角材、鉄アングルの三つで構成された組モチーフです。普段よりもモチーフの位置が高いことや天板を外したために空間が抜ける感じが新鮮な課題です。物の置かれている状態を表すために構図、パース、個々のサイズ、質感の違い、光の方向など色々と注意する所があります。普段の石膏像単体よりも輪をかけてシビアに取り組まないと臨場感のある画面にはならないでしょう。
Kさんのデッサンです。モチーフ全体を入れるため、あえて倍判で描きました。大きな画面を責任をもって描き上げたところがいいですね。
Iさんのデッサンです。目の前に見えた現象をどんどん追いながら描いた密度のあるデッサンです。なりふり構わずがいいですね。
Iさんのデッサンです。モチーフを正確に追うところでてくるリアリティーや炭の調子をコントロールできるところがよかったですね。信憑性があるデッサンです。
円盤全身像のあずかりデッサンです。
構図は左寄りになってしまいましたが、倍版の木炭紙では捉えずらい
全体のバランスや円盤の持つ動きが無理なく捉えられています。
光の方向性も明快で円盤を取り巻く空気までも感じられます。
[本日の課題]デッサン;大型石膏
粘土;鳩
下の2枚の写真は制作風景です。
大型石膏は屋外に設置し、自然光でデッサンしている人も居ました。それぞれが
何かのきっかけを見つける事ができた課題だったのではないでしょうか?
一見、捉え所の無い様に見える鳩を粘土で、どのように表現するのか?
みんな真剣に構造や動きを捉えようと格闘していました。
今日は大型モチーフの倍判デッサンでした。光の状況も変わり、手も大きく動くので今まで出来そうな実技の流れの中で一つのきっかけになることが多いです。
Iさんのデッサンです。大きな動きなどはまだ物足りないものがありますが、形態に対する欲求の強さが直接画面に現れている魅力的なデッサンですね。
Yさんのデッサンです。前半の大きな仕事が充実しましたね。ゆったりと形をとらえる事が出来たので形の強さや大きなつながりが入ってきましたね。バランスはまだ微妙な部分がありますが転機になる一枚だと思います。
Iくんのデッサンです。構図の意図から描き込みまで作者の視点を大切に進めたデッサンですね。ゆったりした空間表現と動きの把握が魅力です。
8種類の石膏から好きなものを選び、描くという課題でした。
石膏を選び、自分で選んだ位置から描くという事で
責任感がより高められ、新鮮に感じられた様です。
大きな形や細部にまで気が使われていて完成度の高いデッサンです。
構図も大きく捉えられていて、光の方向性も感じます。
石膏の質感やゲタのたっぷりとした量感が表現できています。
とげ抜きの持つ綺麗な空間が、上手に表現できています。
光の方向性や動きが自然に捉えられていて、見ている視線が伝わってきます。
印象はもう一歩ですが、炭にバリエーションがあり形を描き起こしてこれています。
11月8,9日に全国公開コンクールが行われました。
湘南美術学院との合同は今年で5回目です。
参加人数は135名と芸大受験生の約2/3の学生が集まりました。
全国規模のコンクールらしく北は岩手、南は福岡から参加してくれた人がいました。
お疲れさまでした。
モチーフは「円盤投げトルソ」です。
公開コンクール明け、悔しい人も嬉しい人もいると思いますが、日々は巡っていきます。面白いデッサンが出ました。
Iくんのデッサンです。白さと形のぎりぎりのせめぎ合いが感じられます。良いスケール感で描けていますね。
Yくんのデッサンです。単純な表面描写ではなく、光と量感表現で像の印象に迫ったデッサンですね。
Sくんのデッサンです。緻密に迫っていける魅力に光の全体感がからんできましたね。強さと明快さが出てきましたね。
週末はいよいよ公開コンクールです。
8日(土)に東京芸大の一次試験を模した6時間のデッサンを行います。
9日(日)は午前中に採点された皆さんのデッサンを講評し、午後は
彫刻家で東京芸大准教授の林武史氏の特別講演会を行います。
まだ受付しております。
例年150人前後の受験生が集まり、現在の自分の位置を確認する絶好の機会に
なります。
奮って参加してください。
授業で描いたアムールを放課後に描き続けて仕上げたYさんの作品です。
授業時では動きへのアプローチなど魅力的な点がありましたが、印象や描き込みに課題を残していました。その後いろいろなところを描き込み、全体の調子のバランスを崩しましたが、そこから粘り全体感を作り上げました。