数年前までは藝大の2次試験にも素描がありました。
試験では1次試験の素描のみとなり、そこでは主に石膏をモチーフとした出題がされています。
しかし、募集要項には「石膏デッサン」とは書かれていません。「素描」の試験です。
いざ会場に行ってみるとモチーフが石膏ではないという可能性もあります。
そうでなくても、石膏デッサンは素描の中の1つのジャンルでしかありません。
目に映る景色をどのように画面に表現するか、そこを忘れてしまってはどんなモチーフでも描くことはできません。
石膏デッサンの書き方をマスターしたいわけではないのです。見る力、表現する力をつけていきたいですよね。
今回は「3つのモチーフの中から1種類選び、それを学院内の任意の空間に設置または構成した状況を素描しなさい。」という課題でした。
配布されたモチーフは風船、スズランテープ、コピー用紙です。
ぷてぷてから4点紹介します。
R.Tさん

リアリティのある描写で、味わい深い良い素描になりました。
ドアの寂しげな佇まい、じわっと広がる影、画面の隅々まで丁寧に仕事がされていて
ずーっと見ていられるような1枚でした。
M.Nさん

とにかく狙いが明快で良いです。
じっとりとした空気感と、差し込んだ光に照らされるコピー用紙の対比が効いています。
深みのある良い色味でした。
H.Yさん

普段よりも柔らかく捉えられていてますね。
ピントが合うところと合わないところ、手触りや現象などがおおらかに描写されていて、優しい空気が漂う良い素描になりました。
T.Tさん

スッキリと空間の抜ける良い構図と丁寧な描写が魅力的でした。
なんだか夢の中のような、ほんのり暖かい風が吹いている感じが良い。
狙いがしっかりと持てたので、密度もバッチリです。

















































